じゃがいも

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天才バンド

奇妙礼太郎(Vocal , Guitar) Twitter / 奇妙礼太郎 / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団

Sundayカミデ(Chorus , Piano) Twitter / ワンダフルボーイズ

テシマコージ(Drums) Twitter / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / fugacity

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<TENSAI BAND OFFICIAL INTERVIEW>

●奇妙礼太郎とSundayカミデの出会い

Sunday もう10年以上前ですね。アニメーションズが『中学ロック』というカセットアルバムを物販で売っていて。これがホンマに素晴らしい作品なんですけど。ライブを観たときにそのカセットを買ったのが最初で。その何年後かに一緒に遊んだり、ライブするようになったんです。ふつうに奇妙くんの家に行って、お酒飲んで、ボーッとして帰るということをよくやってましたね。当時、奇妙くんが住んでいた部屋のベランダから、奇妙くんが継ぐはずやった倒産した実家の製麺所が壊れていくのが見えたんですけど。それを一緒にタバコ吸いながら"あ、もう更地になったな〜"、"あそこでフェスできるんちゃうか?"、"絶対近所迷惑やろ"とか言ってましたね(笑)。

奇妙 懐かしいですねえ(笑)。

Sunday 製麺所の跡地がやがて住宅地になって、新婚さんが入居して、子供が生まれてその子が自転車に乗り出すくらいまではベランダから一緒に見てましたね(笑)。

●「君が誰かの彼女になりくさっても」を生んだSundayカミデとは何者なのか?

奇妙 人間的に言えば、関西アンダーグラウンドシーンの王様、ボスみたいな。しゃかりきコロンブス(ワンダフルボーイズの前身バンド)で初めて彼の歌を聴いてすごいなと思ったんですよ。これは売れるなあって。メロディも歌詞も独特やけどわかりやすくて。歌詞のテーマは全部実話で、難しい言葉とか一切使ってないのがすごいなと思って。僕から出てくるものとはまったく違う感触もあって。それで、僕も彼の曲を歌いたいと思ってライブで歌い始めたんですよね。それが今でもずっと続いてる感じですね。

Sunday 「平和 to the people!!!」とかは刑務所に入ってる友だちに向かって歌った曲だったりするんですけど(笑)。しゃかりきコロンブス/ワンダフルボーイズの前に組んでいたA.S.Pというバンドでジャズやサザンソウル的なオシャレなコードを使う音楽はやり尽したから、今度はコードが4つくらいで、いいメロディに日記みたいな歌詞が乗ってる歌を作って歌いたいと思ったんですよ。今ではまだマシになったんですけど、当時はすごく歌がヘタクソやったんで、そういう歌じゃないと歌えないというのもあって。「誰かの彼女になりくさっても」は僕の実家で奇妙くんと遊んでるときにピアノを弾きながら"最近こんな曲作ってん"って聴かせたんですよ。翌日に広島でライブがあって、車に一緒に乗ってるときに奇妙くんがウクレレで歌ってくれて。だから、曲ができたばかりのときから奇妙くんは「君が誰かの彼女になりくさっても」を歌ってくれてるんです。

奇妙 で、その広島のライブが昼のビーチであったんですけど、彼が溶接の人みたいなデッカいサングラスをかけて「君が誰かの彼女になりくさっても」を歌いながら泣くっていう姿を見て。"泣いてはるわ〜"と思ったのを覚えてますね(笑)。

Sunday そこから奇妙くんがライブで歌ってくれることで曲がひとり歩きしていって、いろんな人がカバーしてくれるようになって。

●さらにSundayカミデとは何者なのか?

Sunday これまでずっと大阪のクラブで遊んで、それが生活のベースになっていたので、そこで経験したいろんなことが曲になったものも多いですね。歌詞に"ダンス"っていうワードが多い理由もそれで。20代はクラブでしか過ごしてないくらいの感じなので。

奇妙 でも、一時期、音楽やめてビーチバレーをしてた時代もありましたよね?(笑)。

Sunday そうなんですよ。A.S.Pやる前の話ですけど。何を思ったか裸にネックレスしてビーチバレーやってましたね(笑)。遊びすぎて脳にウイルスが入って、昏睡状態になって生死をさまよったこともあるんですけど。そこで自分のやりたいことはビーチバレーじゃないわって気づいてまた音楽をやるようになって。

奇妙 あと、退院してから手相が見れるようになったんですよね?

Sunday そうそう。星占いならぬ腰占いもできるようになって。女性の骨盤を見てその人の運勢を占うっていう。

テシマ 腰、触りたいだけやん(笑)。

奇妙 でも、めちゃめちゃ当たんねんから。占い付きのイベントを一緒にやったりもしたよね。

Sunday ライブが終わったあとにお客さんの手相を見て、メモ帳にラッキーアイテムを書くっていうね(笑)。一時期、奇妙くんとお昼ごろに会って"お疲れ〜"とか言いながらビールを飲んで、そのテンションでTwitterで"今からライブします"って告知して、知り合いの店の2階を借りて占い付きで1500円のライブとかやってました。それで日々の生活をしのぐっていう。ああいう時代にはもう戻りたくないなあ(笑)。僕も奇妙くんが女の子にフラれて泥酔状態で梅田の路地に座り込んでる姿とか見てましたからね。それを考えたら今はお互いまともになりましたね。

奇妙 この人、もともと東大阪のストリートファイトの名選手やったんで。高校生のときにどんな服を着てたんでしたっけ?

Sunday 丸襟の七分丈のカッターシャツに赤いランドセル背負ってました。

奇妙 オカマじゃないですか(笑)。小5のときは何を乗ってたんでしたっけ?

Sunday 金髪でタバコ吸いながら原付バイクに乗ってました。土地柄なのか、当時はダメって言われなかったんですよねえ。小4のときに周りでスケボーが流行ったんですけど、僕はうまいこと乗りこなせなくて。それで友だちが"新しい乗り物あんで"って紹介してもらったのが原付やったんです。中学生になったらちゃんと自転車に乗るようになったんですけど(笑)。

●3人を繋げたSudayの主催イベント「Lovesofa」

Sunday 脳の大きな病気をして退院した3ヶ月後に「Lovesofa」を始めたんです。最初は自分がライブできる場所を作るためやったのと、同じように自分の知り合いでライブのできる場所がない人は「Lovesofa」がありますんでっていう感じで、みんなの最初の一歩になればいいなと。で、奇妙くんがアニメーションズとして最初に「Lovesofa」に出演してくれたのが2007年くらいですね。あそこがイベントにとっても転換期でした。それまではジャンル的にヒップホップ、レゲエ、ジャズが中心やったんですけど、アニメーションズが入ってくれたことでそこにロックンロールが加わって。お客さんもどんどん新しい人が来るようになったんです。それは「君が誰かの彼女になりくさっても」の現象と同じくらい感慨深いものがありました。

テシマ 僕も最初はお客さんとして「Lovesofa」に遊びに行くようになって。当時、音楽の専門学校に通っていたんですけど、その先生のバンドが「Lovesofa」に出演してたんです。当時は学校でDTM(ディスクトップミュージック)を学んでいて、ドラムは全然叩いてなかったんですよ。でも「Lovesofa」でいろんなバンドのライブを観るうちに楽器を弾くのって楽しそうやなと思って。トラベルスイング楽団で叩くようになったのも、「Lovesofa」にトラベルのライブを観に行ったときにベースの(PEPE)安田さんから声をかけてもらって。トラベルのメンバーは固定じゃないということで、"この日、空いてるならドラム叩かない?"って誘われたのがきっかけやったんですよ。

奇妙 「Lovesofa」ってイケてるバンドにちょっとずつ人気が出てきて、そこそこ集客が安定してきたら、呼ばなくなるんですよ。ふつう逆やろって思うんですけど(笑)。

Sunday それが最初に決めたルールというか。ホンマは出てもらいたいんですけど、1個安定したらまた壊すことをやってきたからこそイベントがこんなに長く続いてると思うんですよね。そのなかで奇妙くんやったらソロがあり、アニメーションズがあり、トラベルがあり、これからそこに天才バンドが加わって。僕もA.S.Pからしゃかりきコロンブス、ワンダフルボーイズ、天才バンドって、1人のミュージシャンがいろいろ経てきた経験や音楽をお客さんに見せられる場所になってるのがいいなって思います。

●天才バンド、結成

奇妙 自分でいろいろバンドやってますけど、全部、彼の曲を歌ったらいちばん売れるんちゃうかなと思って(笑)。

Sunday 1年半前か2年前くらいに"奇妙くん、どうせったら全部、俺が作った曲を歌ってよ"って言ったんですよ。

奇妙 "やるやるやる"って。

Sunday 自分が作った曲を奇妙くんが歌ってくれる喜びや気持ちよさって、僕にしか味わえないものじゃないですか。もちろん、そこには悔しさもあるんですよ。"俺の曲をこんなによくしてくれるか!"とか"こんないいライブするか!"とか。でも、そういうものも全部、引っ括めてこの体験ができるのは僕の特権なんですよね。それを徹底的に味わいたいから"一緒にバンドやりませんか?"と誘って。

奇妙 僕にとってもよさそうな予感しかなかったんで。

Sunday 奇妙くんって昔から"こんだけ世の中にいっぱい曲があるのになんで俺が作らなアカンねん"って言っていて。それってちょっとした逆ギレやとも思うんですけど、彼は自分でもめっちゃいい曲を作れるのにそう言っちゃうところが面白いんですよね。さっきも歌詞における"ダンス"という言葉の話になりましたけど、僕にとって奇妙くんが歌う"ダンス"がいちばんカッコいいんです。このカッコよさは、奇妙くんにしか絶対出せないものなので。最初は僕と奇妙くんから始まって、ライブをやるうえでドラムは必要やと。それでテッシーを誘って。ベースレスについては、レコーディングをどうするか考えたんですけど、やっぱりこれでいいなと。

奇妙 1人にかかる比重が増えるのも面白いし。

Sunday この3人でこの編成だからこそ"必要最低限の幅"が広げられると思うんですよ。ライブもやる度にどんどん変化していくんで。

テシマ とりあえずライブがめっちゃ楽しいんで。トラベルともまた違う、メンバーが少ないなかで思いもよらないところに曲が展開していったり、変化していくのが刺激的です。

●1stアルバム『アインとシュタイン』

Sunday 選曲に関しては、ほとんど既存曲のなかで僕の独断と偏見で決めました。とにかく"今、奇妙くんに歌ってほしい曲"というのをポイントにして。アレンジに関しては奇妙くんがギターを重ねることで"そんなふうになるんねや"ということもあったり、もともと僕が用意してきたピアノのフレーズにギターを重ねてくれるとより空間が広がったりして。スローテンポな曲が多いですけど、このバンドだと単なるピアノバラードじゃなくなる。テンポ的に速い曲って言ったらラストの「ロックNEW DAYS」くらいですもんね。あと、もともとキャッチーでポップな曲も天才バンドならではのロックテイストになる。それがこのバンドのロック感やと思います。そこに今回はクラリネットなどが乗っていく気持ちよさがあり。

奇妙 僕はアレンジとかも基本的に何もしてないですけどね(笑)。スタジオに行って、淡々と曲に反応していくという。まだ完パケたアルバムの音源を聴いてないんでなんとも言えないんですけど。

Sunday 自分のバンドの作品なんで聴いてもらっていいですか(笑)。『アインとシュタイン』はレコーディング期間が短いなかで、ビギナーズラックくらいうまくできたので。セカンドはさらにここからちょっと音を足したり抜いたりしたいなって思いますね。

奇妙 次は全曲におもいっきりベースが入ってたりしてな(笑)。

Sunday ピアノだけで歌うのもありやと思うし。

奇妙 どうなっても面白くなるやろうなって。とりあえずこのアルバムを売りたいですね。

取材・文/三宅正一(ONBU)

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